JET『Shine On』について【音楽過去作振り返り】

みなさまお疲れ様です。

ブログ開始からの三日間なんだか弱音記事ばっかりだったので、今日は一切弱音とは関係ない記事を書こうと思います。

 

ということで今日のテーマはオースラリアのバンドJETの2ndアルバム『Shine On』について書こうと思います。なぜこの作品を扱うのか。その理由は、2000年代に絶大な支持を得たWEBメディアPitchfprk(以下:ピッチフォーク)で0点を叩き出したアルバムだからです。

 

そもそもJETとはどんなバンドなのか。昔iPodのCMに使われた「Are You Gonna Be My Girl?」という曲のアーティストです。というかダイノジのエアギターの曲です。いまでも時々使われるので結構知られているのでは?Iggy Popの丸パクリとの声も多かったですね。

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この曲をきっかけに大ヒットしたJETでしたが、当時からピッチフォークは辛口でした。10点満点中3.7点。結構ピッチフォークってこの手のワイルドさ嫌いますよね。でも事実、この作品は一言で言い表すことができるくらいのシンプルな作品です。ローリングストーンズとAC/DCビートルズの合体。良くも悪くもそれだけで。勢いまかせなところも確かです。ピッチフォークからすると退屈だったのでしょう。

 

そんでもって本題の2nd『Shine On』はどうだったのか。先述の通り0点なのですが、物議を醸したのはレビュー文がないことです。文章の代わりにひとつ動画が貼られています。10秒のチンパンジー動画です。ぜひその目でご覧ください。

pitchfork.com

 

これは衝撃的ですよね。しかもJETはこの作品に特別な意気込みがありました。というのもJETのボーカルとドラマーは兄弟なのですが、当時そのお父さんが亡くなられて滅茶苦茶落ち込んでました。その悲しみを乗り越えるんだ!輝くんだ!の意味でShine Onというタイトルなのです。いやー、このタイトルセンス、かなりダサいですよね、最高です。

 

しかし肝心の楽曲はどうなのかというと、「いやこれはただの傑作なのでは?」と唸らずにはいられない充実度。勢いまかせだった1stとは打って変わって研ぎ澄まされたソングライティング。先行曲のひとつである「Bring It On Back」だけでも十分なのでは?

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この曲は「ノエルギャラガーが書きたくても書けなかったビートルズ風ソング」とどこかのメディアかなんかで言われていたのを覚えています。そう、このアルバムはとことんビートルズなのです。1stから続くリフ主体の楽曲構成のロックアルバムではあるものの、とにかく甘いメロディ。これが0点ですか、そうですか、と今改めて聴いても思います。ドラミングも最高にセクシーだし、アコースティックな楽曲も最高です。唯一Snoozerだけはこの作品を高評価していたように思います。

 

この時代にこのアルバムを振り返る意味は全くないし、聴こうよ!と促したいわけでもありません。正直今ならこれよりもアリアナグランデとか聴いた方が楽しいですよ。「thank you , next」最高ですからね。ただ評価とは絶対的なものではないはずです。ビートルズホワイトアルバムが当時は駄作扱いされていましたが、現在では最高傑作ばりの扱いを受けていたり、さっきのIggy Popが組んでいたThe Stoogesだって当時全然売れなかったのですが、後にパンクバンドが出て来たときに、そのパンクバンドのほとんどがStoogesを聴いていたなどなど、評価のひっくり返りは歴史が証明しています。

 

したがって、音楽に限らず今の評価軸に合わないものは、後々花開くことだってあるのです。理解されるされないは二の次で、自分が作りたいものを作る。自分がやりたいことをやる。評価は後からついてくる。評価を追い求めるなんてものは愚行だとハッキリ言いたくなる。0点という辛い評価を受けたJETの『Shine On』が本当に輝き出すのは、10年後かもしれないし明日かもしれないのです。