アリアナグランデとハウスミュージックとその他諸々

今回は8月2日にリリースされたアリアナ・グランデの新曲「boyfriend(with Social Home)」についてほんの少し書いてみようと思います。全然咀嚼仕切れていないですが…。今年2月のアルバム『thank u, next』 以降、「7rings(feat.2Chains)」「MONOPOLY(with Victoria Monet)」をリリースした。そして本作「boyfriend(with Social Home)」はおそらく、新たな決定打なのではないでしょうか。と思ったものの、あまり盛り上がってないですよね?もっと話題になるかなと思ったのですが、少なくとも私の周りでは音沙汰なし。いやいや、これこそ3分6秒の究極のポップソング。ゆえにこの曲を取り上げてみようと思います。

 

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確かに若干前作と似通った曲であることは否めません。構成やコーラスの雰囲気は「thank you , next」風だし、BPMもそれに近い。強引かもしれませんが「thank you , next」と「break up with your girlfriend , I'm bored」の合体ということも可能でしょう。がしかし、とにかく音色が完璧。ハウスに近い音選びで、リズムの基調も同様にハウスミュージックを感じます。パッと浮かんだのはジェイミーXXやディスクロージャー。スネアのサスティーンの短さひとつとっても超現代的だし、膨よかなベースラインは本当に気持ちいい。カニエ・ウエストやチャンス・ザ・ラッパーの楽曲達とも通づるゴスペル感のあるコーラスもあるなど、情報盛りだくさんであるもののとにかく軽快なトラック。

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最近色んなアーティストがハウスのテイストが備わった曲を作ってるなと感じます。国内だとcero「Poly Life Multi Soul」なんかがいい例ですね。シャムキャッツの「逃亡前夜」あたりもハウスミュージックを感じます。

 

そもそもハウスミュージックの名称由来はシカゴのゲイ・ディスコ「ウェアハウス」であり、そのこともありハウスミュージックはゲイの方々などのLGBTに対する性差別解消がルーツとしてある。昨今の社会情勢からしてもLGBTに対する偏見解消は現代の重要なテーマでもありますよね。優秀なアーティストはこうした社会背景を、音に落とし込んでいくものなのでしょうか。歌詞ではなく”音”っていうところが素敵ですよね。もちろん歌詞で表明していくのだって最高ですよ。でもこのさりげなさが(本人が意図してるかどうかはさておき)かっこいいじゃないですか。

 

昔、ドラマや映画で「モテキ」流行っていたとき、岡村靖幸が再び求められたのもすごく納得がいきます。草食系男子がどうやらこうやら言われていた当時、「電話なんかやめてさ♬六本木で会おうよ♬」という言葉は1990年のリリース当初以上に男子へ響いたのではないでしょうか。社会と呼応するポップミュージックはいつだってかっこいいです。

 

僕が好きな東浩紀さんという方がツイッターで政治と芸術について、次のようなことを書いていました。

 

政治はひとを友と敵に分けるものだと言われています。たしかにそのような側面があります。けれども、人間は政治だけで生きているわけではありません。それを気付かせるのも芸術のひとつです。

〜一部省略〜

政治が友と敵を分けるものだとすれば、芸術は友と敵を繋げるものです。すぐれた作品は友と敵の対立などどうでもよいものに変えてしまいます。これはどちらがすぐれているということでは、それが政治と芸術のそれぞれの役割だと考えます。

 

芸術の定義は非常に難しいものですが、これはひとつの最良解であるように感じます。いまは政治の時代なんていわれたりもしますが、そんな中でもアーティストが友と敵を繋いでくれればいいなと、夢見心地ながら思ったりします。そして、その筆頭株がアリアナ・グランデだと信じてます。なんてったってアリアナ・グランデは「imagine」って曲まで書いてますからね。まさかのジョン・レノンですよ。冴えない日々を送っていますが、とにかく今はアリアナ・グランデで踊ろうと思ってます。

 

なんともしっちゃかめっちゃかな記事になってしまった。